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不妊原因検査

 

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受診するなら月経3日目がベスト

受診するなら月経3日目がベスト

女性のからだは月経周期に応じて卵巣や子宮の状態、ホルモンの分泌量、働きなどが大きく変化していきます。そのため不妊に関する検査は月経周期にしたがって行なわれ、必要な基本的検査がひととおり終わるまで1ヵ月から2ヵ月かかります。
どんな検査から始めるかは、初診のとき、月経周期のどこにあるかによっても異なります。
そこで、最初に病院へ行く時期ですが、月経3日目あたりがベストです。月経中は受診したくないという気持ちはわかりますが、この時期のホルモン値は卵巣機能の状態を知るうえで大きな手がかりとなります。できるだけ月経開始2日目から5日目の間に受診するようにしましょう。 一方、男性の基本的検査は大きく分けて精液検査、血液検査、性器検査となり、比較的早く必要な検査を終えることができます。ただし、精密検査が必要な場合には、症状に応じてかかる時間は変わります。
最近は、男性もホルモンバランスの乱れによって精子の状態が悪くなっている人がかなりいます。性ホルモンでコントロールされているのは女性ばかりではなく、男性も同じなのです。仕事のストレスや過労が重なるとホルモンバランスが乱れ、精子の数も運動率も低下することを知っておきましょう。とくに、ふだんから血圧降下剤、胃腸薬、抗うつ剤などの薬を常用している人は要注意です。
したがって、不妊カップルはできるだけ最初から一緒に診察を受けたほうが、ふたりの赤ちゃんをつくるための早道です。
また、男性に原因があることが早くわかれば、女性が必要以上に検査を受ける必要がなくなり、精神的にも身体的にも負担を軽くすることもできます。

女性の不妊原因検査

基礎体温グラフ

女性の不妊原因検査

基礎体温を毎日連続して測り、その変化を見ることは排卵の有無やホルモンのバランスを知るうえでとても重要です。
基礎体温とは、安静時の体温のことで、朝、目覚めたときに測るのが理想的です。起き上がると活動エネルギーによって体温が上昇し、その人のからだ本来の基礎体温がわかりにくくなるからです。
女性は排卵の前後でホルモンバランスが変わり、基礎体温が上昇していきます。排卵とともに卵巣からプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され、このプロゲステロンは脳の体温調節中枢に作用して体温を上げる働きをするからです。
したがって毎月きちんと排卵がある人の基礎体温は、排卵の前後で低温期と高温期の二相性を示します。
仕事が忙しい人、夜勤がある人など睡眠時間が一定でない場合は、基本的に5~6時間の睡眠をとった後は基礎体温と考えていいでしょう。自分の生活サイクルに合わせて、できるだけ一定のリズムで測り、グラフに記録してください。
休日や旅行中などは測定する時間が多少ずれてもかまいません。寝る前に体温計を枕元に置き、目が覚めたら起き上がる前に口の中に入れ、舌の下で測るように習慣づけるようにしたいものです。
基礎体温は、低温期と高温期の差が0.3度以上ある場合は二相性と考えます。この微妙な差を計測するための体温計が「婦人体温計」で、水銀計とデジタル計の2種類があります。
最近はデジタル計を使う人が増えていますが、実際の計測機能としては水銀計のほうが正確です。水銀計は実測式で計測時間は5分程度。デジタル式は予測式で、短時間で測れるという利点もありますが、どちらがいいですかと質問されたときは、より正確に測れる水銀計をおすすめしています。
最近のデジタル体温計はコンピュータ内蔵で画面に体温変化がグラフとして表示されるタイプもあり、患者さんのなかにはそれを持ってきて、見てくださいと差し出す人もいますが、きちんと紙にグラフ化して持ってきていただきたいものです。そうすれば一目で基礎体温の変化が分かります。診察を受けるときは医師が見やすいように配慮することも大切です。
自分でグラフ用紙に書き込んでもいいですし、市販の基礎体温表を利用してもよいでしょう。体温のほか、月経開始日・終了日、月経血量、おりものの状態、からだの状態、セックスをした日、服用した薬などを書き込み、診察の際に提出していただくと診断にたいへん役立ちます。
受診するときは、できるだけ3周期分以上の基礎体温グラフを持ってきてください。1周期分では把握できないこともあるので、最低でも3周期分記録されていると、その人のからだに関するさまざまな情報を把握することができます。1周期とは、月経開始日から次の月経が始まる前日までのことです。
基礎体温表からは次のようなことがわかります。

●排卵の有無
排卵が起こり、プロゲステロンが分泌されると体温が上昇して高温相になります。低温相だけの場合は、月経があっても排卵されていないことがわかります。これを無排卵性月経(無排卵性周期)と呼びます。ただし、二相性を示していても排卵が起こっていないこともあり、このような場合は黄体化未破裂卵胞(排卵せずに卵胞が黄体に変化してしまう)が考えられます。

●排卵日の予測
排卵は基本的に次の月経開始予定日の約2週間前に起こります。基礎体温で見ると低温相から高温相へ移行する数日間に排卵が行われると考えられています。
次ページの図は、もっとも典型的な基礎体温表の変化を示しています。♪~★の各ポイントはそれぞれ最低体温日、体温陥落日、低温最終日、高温相初日という名称がつけられていて、いずれかの日(数日間)に排卵が起こるとされています。
排卵後の卵子の寿命は約1日。一方、精子の寿命は約3日です。したがって排卵日の3日前から、排卵日の翌日までの間にセックスをするともっとも妊娠の確率が高くなります。

●妊娠の診断
高温相が3週間以上続いた場合は妊娠の可能性が高くなります。その後、妊娠4週で尿検査、妊娠5週で超音波検査による胎嚢の確認、妊娠6週で胎児の心拍を確認し、「妊娠確定」としています。出産予定日は、最終の月経開始日から280日目として算出します。
妊娠すると高温相がそのまま続き、およそ13~14週目頃から低温相に戻ります。その後は基礎体温の上下に関心を払う必要はありません。

●不妊症の可能性
無排卵性月経(無排卵性周期)、黄体化未破裂卵胞では妊娠はできません。また、高温相が短い(9~11日未満)、低温相と高温相の体温差が0.3度以内の場合は黄体機能不全が考えられ、そのままでは妊娠がむずかしい状態です。
しかし不足しているホルモンの投与など的確な治療によって妊娠しやすい体調へ整えていくことは可能なので、決してあきらめないでください。
また、仕事がハードスケジュールでストレスがたまっていたり、親の介護や家事などで疲労が蓄積していたり、知らないうちに風邪をひいていたりすると基礎体温にも影響があらわれます。毎朝の基礎体温の変化に一喜一憂すると、それがまたストレスになってしまいますので、とにかく測った体温を記録し、受診時に忘れずに持っていくようにしてください。
これから受診しようと考えている方は早速、基礎体温の記録を開始し、3ヵ月分が記録できたら、それを持って受診するといいでしょう。基礎体温をつけずに受診した場合は、3ヵ月ほど記録してから再び受診するように指導されることもあると思います。
基礎体温の変化が把握できないと、いつどのような検査をしたらよいか、どんな治療をしたらよいかを決められないからです。
次は、月経周期に応じて行なわれる主な検査をまとめたものです。

初診時 問診、基礎体温表チェック、内診
周期検査 卵胞期/血液検査(ホルモン検査)、経膣超音波検査、子宮卵管造影検査
排卵期/血液検査(ホルモン検査)、経膣超音波検査、頸管粘液検査
黄体期/血液検査(ホルモン検査)、子宮内膜検査
その他 クラミジア抗原・抗体検査
フーナーテスト(性交後検査)
子宮鏡検査
卵管鏡検査
腹腔鏡検査など

血液検査(血中ホルモン値検査)

妊娠にはさまざまなホルモンが関与しています。これらのホルモンは月経周期に応じて分泌量が変化します。そのため正常に分泌されているか、バランスがとれているかを確かめるために月経周期に合わせて血液検査を行ない、ホルモンの血中濃度を調べます。主に次の3つの時期の変化が重要です。

●卵胞期
卵巣の中で卵子が育つ卵胞期には「ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)」、「卵胞刺激ホルモン(FSH)」、「黄体化ホルモン(LH)」が関与しています。いずれも脳の視床下部や下垂体から分泌されます。
卵胞刺激ホルモンは卵胞の発育を促し、黄体化ホルモンは卵巣を刺激して排卵を促します。また、乳腺を発達させ、乳汁の分泌を起こさせるホルモンである「プロラクチン」の分泌も始まります。
この時期、黄体化ホルモンの量が多すぎると、排卵障害を引き起こす多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)(50ページ)が疑われ、プロラクチンの量が多すぎると、排卵を抑えてしまう高プロラクチン血症(49ページ)の可能性が考えられます。
「エストロゲン(E)」は女性ホルモンの代名詞のようにされているほどで、妊娠においても重要な働きをしています。卵胞期の測定で基礎値を知ることができます。

●排卵期
排卵が近づくと、子宮内膜を厚くし、頸管粘液を精子が通過しやすいような性質に変える作用をもつエストロゲンの分泌量が増えます。

●黄体期
エストロゲンによって厚くなった子宮内膜をやわらかくフカフカにして、受精卵が着床しやすくする働きをするプロゲステロンが十分に分泌されているか調べます。
排卵や受精がうまくできても、子宮内膜が十分に厚くやわらかくなっていないと受精卵はうまく着床できません。そのために妊娠できないケースも多いので、エストロゲンやプロゲステロンが十分に、しかもバランスによく分泌されていることが重要です。
プロゲステロンの分泌が少ないと黄体機能不全が疑われます。受精卵が着床しにくくなるだけでなく、胎児が育たずに流産が起こりやすくなります。
経膣超音波検査
超音波検査(エコー)は、超音波を発信するプローブを使って行なわれます。お腹の上からプローブを当てる経腹超音波検査と、細長いプローブを膣内に入れる経膣超音波検査とがありますが、不妊検査で行なわれるのは主に経膣超音波検査です。
子宮や卵巣に関するさまざまな情報を得ることができるため、不妊治療をしている間たびたび行なわれます。痛みもなく、モニター画面に映し出される超音波画像を患者さんも一緒に見ることができます

経膣超音波検査

経膣超音波検査

子宮の大きさやかたち、位置、子宮内膜の厚さ、あるいは子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症などの有無をチェックすることができます。 卵巣の状態も調べることが可能で、卵巣内の卵胞がどのくらいの大きさに育っているか、排卵されたかどうか、卵巣嚢腫の有無もわかります。
排卵後、受精卵が着床しやすいように子宮内膜が厚くなっているかどうかを調べることもできます。
子宮卵管造影検査 子宮や卵管のようすを調べる検査です。カテーテル(細くてやわらかい管)を子宮頸管から子宮の中に挿入して造影剤を注入し、造影剤の流れ具合を画像撮影します。従来はエックス線(レントゲン)撮影で診断が行なわれてきましたが、最近では超音波画像診断を行なうケースも増えています。
エックス線用造影剤(イオンヨード)は濃度が高いため挿入時に圧力をかける必要があり、強い痛みをともない、患者さんには負担になっていました。しかもイオンヨードに対してアレルギーがある方はアナフィラキーショック(全身に発疹が出たり、呼吸困難になる副作用)を起こすこともあります。
それに対して超音波用の造影剤は泡状で、圧力をかけて挿入しても子宮や卵管内壁にかかる圧力が少ないので、患者さんが感じる痛みはグンと少なく、副作用の心配もないのが特徴です。
当院では、いち早く超音波子宮卵管造影検査システムを導入し、患者さんの負担の軽減をはかっています。
他院で受けた子宮卵管造影検査の痛みが忘れられず、この検査に恐怖感や拒否感を抱いていた患者さんも、当院ではほとんど痛みがなく検査が行なわれ、驚く女性もたくさんいらっしゃいます。
子宮の内腔はみなさんが思っている以上に狭く、2、3 ほどの造影剤で子宮内は満たされ、卵管先端まで問題なく通過していると約6、7 入ります。
卵管が正常であれば、しばらくすると卵管先端の卵管采から造影剤が腹腔内に出てきます。卵管が途中で狭くなっていたり詰まっていると、造影剤がその部分でストップし、撮影画像から子宮の形状や、左右の卵管の通りぐあいがわかります。
卵管に多少の狭窄があり、それが原因で妊娠しにくくなっていた場合は、子宮卵管造影検査によって卵管の内部が広がり、妊娠に結びつくケースもあります。
卵管が通っているかを調べる方法として、以前は通水検査、通気検査が行なわれていました。子宮卵管造影検査と同様にカテーテルで生理食塩水や炭酸ガスを子宮内に送りこみ、卵管での通過状態をチェックするという方法です。
ただし、エックス線や超音波による子宮卵管造影検査に比べて診断精度が低いため、最近では実施する病院は減っているようです。
その代わりに、検査というよりも治療として行なわれることもあるようです。水や炭酸ガスを通すことによって狭くなっていた卵管が広がり、精子が卵管内に入りやすくなったり、受精卵が子宮に移動しやすくなる可能性があるからです。
私も以前は行なっていた時期がありますが、子宮卵管造影検査や卵管鏡を使った検査や治療を行なうようになってからほとんど行なっていません。
ただし、軽い卵管狭窄で、通水治療で広がる可能性があると考えられるケースで、患者さんが希望したときには行なうこともあります。

卵管鏡検査

卵管の状態を正確に調べるうえでもっとも有効なのが卵管鏡検査です。
卵管鏡ほど卵管内がはっきりと見える検査方法はありません。私が不妊治療に卵管鏡を導入した時期は早く、これまでの検査実績、治療実績ともに他の医師にひけをとらないと自負しています。
検査のときは静脈注射による全身麻酔で行ないますから、痛みもまったく感じません。短時間で目覚める軽い麻酔なので、検査後は回復室でしばらく休んでから帰宅することができます。
局所麻酔だけ、あるいは麻酔はまったくかけないという医師もいるようですが、可能な限り痛みのない治療をめざしている私は、副作用のほとんどない全身麻酔を工夫して無痛治療をしています。
卵管は、卵と精子が出会い、受精卵となる場所です。受精卵は細胞分割をくりかえしながら卵管内を移動し、子宮内膜に着床できる状態になってから子宮へと出ていきます。このことからも、卵管がよい状態であることは妊娠において実に重要であることが理解していただけるでしょう。
排卵がきちんとされているにもかかわらず妊娠しない、子宮内膜の状態も悪くないのになかなか妊娠しないという場合は、卵管になんらかの原因がある可能性もあるため、卵管鏡での検査をおすすめします。
子宮卵管造影検査で卵管が通っていることはわかっても、受精を邪魔したり、受精卵の発育を阻害する原因があることも推測できるので、それを確かめるためにも卵管鏡検査はたいへん有効です。もし受精を阻害している原因が卵管内に見つかれば、その場で治療することも可能です。
卵管鏡のファイバースコープは直径約0.5で、先端からごく細いバルーン(風船)を出して少しずつ押し進めながら、卵管内腔を広げていきます。卵管内の癒着が改善されれば、精子も卵管内に進入しやすくなりますし、受精卵が子宮までスムーズに送られ、無事に着床する可能性も高まります。
卵管鏡治療のようすはビデオで撮影し、治療後に患者さんにお見せしています。このように詰まっていたが、治療後はこのように通りがよくなったということがビデオを見ることによってご本人に理解していただけるからです。
ただし、卵管鏡検査で、左右の卵管が完全に詰まっていることがわかり、卵管鏡でも治療不可能と診断した場合は、体外受精へと進まざるをえません。
精子が卵管内に入れなければ人工授精でも妊娠はできないからです。女性のからだの中で卵と精子が受精できる場所、それは卵管内だけなのです。

クラミジア抗体検査

ここで、クラミジア感染症について書いておきましょう。
卵管の閉塞、周囲組織への癒着などを引き起こす原因としてもっとも多いと考えられているのがクラミジア感染症です。
初診の段階で、クラミジア抗体検査(血液検査)を行なう病院も増えています。クラミジア抗体が検出された場合は、クラミジア感染していることがわかり、不妊原因がクラミジア後遺症にあることも疑われます。
クラミジア感染しても女性の場合は症状がほとんど出ないことが多いため、長い年月の間に慢性化し、腹腔内臓器の癒着を引き起こしていくのです。10代のときに感染したクラミジアが、20代、30代の女性の難治性不妊の原因となって苦しめられるということは珍しいことではありません。
クラミジアは、クラミジア・トラコチマスという病原体による性感染症で、炎症が膣から子宮、卵管へと広がると、卵管内腔の表面をおおっている線毛細胞を破壊してしまいます。この線毛細胞は蠕動運動をしながら受精卵を子宮へと運ぶ働きをしているため、クラミジア感染でダメージを受けると、受精卵が卵管内で止まってしまい、不妊や子宮外妊娠の原因になる可能性が高まります。
また、炎症が続いて卵管壁が厚くなると卵管狭窄や閉塞を引き起こしたり、卵管采の癒着や、卵管水腫が引き起こされて卵のピックアップができなくなるなど、さまざまなかたちで不妊原因となるのです。
このような場合は、腹腔鏡検査や卵管鏡検査が必要になってきます。
腹腔鏡で見ると、クラミジア感染症にかかったことは一目でわかります。卵管が周囲の組織にベトリとくっつき、まるでアラビアのりで貼りつけたかのように糸を引いているように見えます。
また、腸や肝臓への癒着、炎症が起こると慢性的な強い腰痛や腹痛で悩まされるようになります。
クラミジア感染症は男性の不妊の原因にもなります。クラミジア感染で尿道炎を起こし、炎症後の癒着によって尿道が狭くなると、射精のときに精子が通りにくくなり、精子のしっぽが折れたり、変形して動きが悪くなってしまいます。
精管の途中にある前立腺や精巣上体で炎症が起こった場合も、受精能力のない精子が増える精子無力症の原因となります。
さらに精巣炎が起こると精子がつくられなくなり、乏精子症や無精子症になる原因にもなりかねません。
クラミジア感染症は男性から女性へ、あるいは女性から男性へとパートナー間で感染が起こるため、どちらか一方が抗菌剤による治療で完治しても、再び感染させてしまうケースも多いため、カップルが一緒に検査、治療を受けることが何より大切です。

フーナーテスト(性交後検査)

男性の精子と、女性の子宮頸管粘液の相性(適合性)をみる検査です。
女性の卵巣、卵管、子宮にも異常がないにも関わらず妊娠しないという場合、膣内で射精された精子が子宮頸管でブロックされている可能性も考えられるため、この検査が行なわれます。
性交後の頸管粘液を採取し、顕微鏡で観察します。一定数以上の精子が元気に動いていれば適合と判断します。もし、一定数以下の場合でも1回では確定できないので、2、3回くりかえして検査して判定します。
不妊に関する多くの本では、フーナーテストを行なう場合、「テストを受ける日の朝、性交をしていくように」と書いてあるようです。あるいは「性交直後に行なう」と書いてある本もあります。
しかし現実問題としてそれは不可能でしょう。私のところにくる患者さんも「先生、朝はそんな時間ありませんよ。無理ですよ」とおっしゃいます。私もその通りだと思っていますので、「前の晩で大丈夫です」と説明しています。
フーナーテスト結果は、性交後の経過時間を考慮して判定できるからです。
精液検査は正常でもフーナーテストの結果が悪い場合は、頸管粘液の中に精子の質を低下させる抗体(抗精子抗体)があることが考えられます。
このような場合は抗精子抗体検査を行ないます。抗精子抗体ができると血液中にもあらわれるため、血液検査で調べます。
抗精子抗体が陽性でも軽度な場合は、ふだんのセックスではコンドームを使って抗体を増やさないようにしながら、排卵日にタイミングを合わせて性交することによって自然妊娠することも可能です。ただし抗体の量が多い場合は精子を受け入れることができないため、自然妊娠はむずかしいと考えなければなりません。
抗体としてもう一つやっかいなのが「抗リン脂質抗体」です。これは女性の全身性自己免疫の一つで、流産をくりかえし、早産や胎児の発育不全の原因となります。
治療法としては、免疫抑制作用をもつプレドニンやアスピリンの低用量持続投与で抗体を弱める方法があります。
流産を2度3度とくり返す場合は、必ずなんらかの原因があると考えなければなりません。免疫に問題がある場合も決して少なくないため、不妊治療専門医のもとで抗体検査や免疫応答の検査を受けて原因をつきとめることをおすすめします。
流産が続いているうちに卵巣機能の低下が起こると排卵もうまくいかなくなり、妊娠、出産がさらにむずかしくなるからです。

男性の不妊検査

精液検査

男性の不妊検査

妊娠において男性の役割は、受精能力のある元気のよい精子、優れた遺伝子(DNA)をもった精子を女性の膣内に射精することです。
もちろん精神的に女性に安心させ、信頼関係を育てることも大切ですが、「受精」という観点からは、より数多くの精子、より運動能力の高い精子をつくり、射精することがなんといっても重要となります。
そこで、男性は最初に精液検査をします。専用の容器内にマスタベーションで射精していただき、精子の状態を調べます。
採取精液は、自動分析装置や顕微鏡によって精子濃度や運動率、正常形態率(奇形率)などが調べられます。
精子は、生成や精路輸送のプロセスで頭部や尾部の形態異常(奇形)が起こりやすく、運動能力に大きく関わってきます。したがって、奇形といってもあくまでも精子そのものの形状のことで、奇形の精子があると赤ちゃんが奇形児になるという意味ではありません。
日本産科婦人科学会や世界保健機構(WHO)の正常な精液の基準値は前ページの表のようになっています。この基準値に達していれば自然な妊娠が可能という目安です。ただし、この基準値に達していなければ自然妊娠しないというわけでもありません。
逆に、基準値を十分に満たしていて、女性側にも問題がないにもかかわらず、なぜか自然妊娠できないというケースも少なくありません。
精子検査を受ける前の数日間は性交やマスタベーションは行なわないようにしておきます。ただし、あまり禁欲期間をおいてもマイナスです。精液量や濃度は増えても、運動率が低下することが知られているからです。
精液の採取は病院の採精室でマスタベーションで行ないます。当院では、射精をサポートするビデオや雑誌などを備えた専用の個室を用意しています。採精室のない病院ではトイレで行なうようです。
婦人科外来へ行くのはどうしても抵抗があるという男性や、仕事などのために病院へ行く時間がない場合は、検査当日の朝、自宅で指定の容器に採取し、女性が病院へ持っていって検査を受けることもできます。
精子検査は射精後、数時間以内は可能です。できるだけ体温に近い温度を保つようにして持っていってください。とはいっても精子は高温に弱いので、温めすぎてもいけません。
男性の中には、容器の中に入れる精液はできるだけ多いほうがよいだろうと考え、続けて射精してしまう人がいますが、かえって精液濃度は薄くなり、検査結果は悪くなってしまいます。必ず射精1回分を持っていくようにしましょう。
精液検査の結果は、その日の男性の体調や禁欲期間によって異なるので、たとえ検査結果が悪くても、1回の検査だけで無精子症や乏精子症、精子無力症と診断されるわけではありません。体調を整えて何度か検査を行ない、確定診断していきます。

精巣検査

精液検査の結果が悪かった場合は、その原因をさがすために精子がつくられる場所である精巣(睾丸)や精路(精子の輸送経路)の精密検査をします。
精巣検査の専門は泌尿器科ですが、男性不妊の治療に力を入れている病院やクリニックでは精巣検査を受けることができます。
男性の不妊原因(57ページ)でも書きましたが、精子の状態が悪くなる原因としてもっとも多い疾患が精索静脈瘤です。
精索静脈瘤は、精巣周囲の静脈の流れが悪くなることによって精巣機能が低下し、精子の数や質が低下する疾患で、視診や触診、超音波検査で診断することができます。
精液の中に精子がまったく見つからない無精子症のうち約20%は、精巣では精子がつくられているにもかかわらず、精子の通り道のどこかが詰まっている閉塞性無精子症です。残りの80%は精巣そのものにトラブルがあり、精子をつくることができなくなっている状態(非閉塞性無精子症)です。
閉塞性無精子症と考えられる場合、精路のどこが詰まっているのかを調べるために精管精嚢造影検査を行なうこともあります。精管に造影剤を注入し、エックス線撮影をして調べます。
精巣そのものにトラブルがあると考えられるときは、精巣の一部を採取して調べる精巣生検を行ないます。陰嚢の1ほど切開し、精巣の組織を取り出し、精子がいるかどうか顕微鏡で調べます。精巣生検で採取した精子は冷凍保存しておき、体外受精や顕微授精に使うこともあります。
いずれの検査も局所麻酔となり、日帰りで受けられます。検査中は麻酔をかけるため痛みはなく、術後は化膿防止の抗生物質や鎮痛剤などが処方されます。

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